2009年4月19日日曜日

手紙屋~僕の就職活動を変えた十通の手紙~

手紙屋~僕の就職活動を変えた十通の手紙~
喜多川 泰
ディスカヴァー・トゥエンティワン
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これから就職しようという大学生に向けて書かれた10編の手紙。 就職活動の過程を通して働くことの意味を手紙屋からの手紙を通して発見していく物語。


小説仕立ての啓蒙書で、まさしくその大賞になるような就職活動を控えた大学生なんかに読んでもらいたいような本だった。

すでに働き始めて、10年以上経過してしまった自分だが、それでも働くと言うことに関していくつかの教唆を得ることができた。
・物を得ることができるのは物々交換であるということ。
・何かを得るには心の天秤の片方にほしい物を乗せて、もう一方にそれと同じだけの物を乗せる必要があること。
・変化し続けること
・得た物をきろくすること

書いてみれば、どんな啓蒙書やら成功本やビジネス書にも書かれているようなことなんだけど、この短いまとめを、字義通りの物ではなくちゃんとした血肉のある意味のある文字にするためにはやはりそれ相応の文章などによって補強される必要があるんだなと言うことを感じた。


この「手紙屋」はそういう啓蒙書的な面では大学生なんかには是非とも読んでもらいたい物なんだけど、その10通目の手紙が終わった後の部分、その部分で一気になんというかご都合主義に陥ってしまったような気がする。 物語的な内容としては要請される部分だったのだろうけど、啓蒙書的な部分としては完全に蛇足じゃないかという感じで、個人的にはこの部分の収まりが悪いのが残念。

でもそのごく一部、瑕疵ともいえるような所書きになるだけで、それ以外の部分ではとても良書。

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