「PETRA GENITALIX」、「うたぬすびと」、「ビーチ」の3本。
まさしく魔女、女性の持つ根源力、男には想像し得ぬ神秘を描いている。 これを男が書いているというのがものすごい謎のような気がする。 なんでこの人こんなのをかけるんだろ? もしかしたら男だからこそかけるのかもしれない。
この中で気に入ったのは「PETRA GENINTALIX」。 ミラとアリシアの生活はなんとなく「
西の魔女が死んだ」を思い出す。 女性はそうやって昔から母から娘へとなにか男にはわからない神秘を伝えてきたのではないかという気がする。
この中で一番印象深いシーンが、宇宙飛行士が宇宙は近いんだといっているラジオ放送を聞いた老婆が、
今の若い人たちはどこに行くにもほんの2,3時間で着くのが当たり前だと思っているけれど、その上にはそうできる仕組みを作るために関わった多くの人生が、膨大な時間が、積み重なっているの。 それを忘れてはいけないわ。
自分の”楽”は必ず誰かが肩代わりしているの。大きな技術に関わっている人たちがそのことを忘れてしまうのは、本当に恐ろしいことよ。
確かに今の世の中はどこへ行くのもすぐだし、様々なことが楽にできるようになった。 そうなったことの陰には確かに多くの人たちの苦労があったと言うことを、たしかに自分なんかも忘れていた。 このことを常に意識しておく必要はないかもしれないけど、それは決して忘れてはいけない物ではある。
こういう自分が忘れてしまっていること、気がつかなかったことに気づかせてくれる、だから本が好きだわ。