クリストファー・マクドゥーガル
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ウルトラマラソンという普通のマラソンの42.195Kmよりも遥かに長い、50マイル(約80Km)や100マイル(160Km!)走るようなマラソンがあるらしい。 マラソンの起源はマラトンからアテネまで兵士が勝利を伝えるために走りそのまま息絶えたという伝説に基づくが、このウルトラマラソンを走るウルトラランナー達はそれよりも遥かに長い距離を走り続ける。 常識的に考えればそこにはなにか普通でない、異常なことが起こっているのではないかと思うが、そうではなく、走ることこそ人間の進化の目的であり、本質であるということを、メキシコの銅峡谷で人知れず行われたウルトラレースと、そこに集った人たちを見ながら詳らかにしていく。
だいたい大きく3つの部分に分けられて、ウルトラレースの始まりと、それらを制した幾人かのヒーローの物語が第一部。 そしてなぜそれらのウルトラランナーはそのような無謀とも言えるような走りができるのかということの本質を探そうとした研究者の物語が第二部。 そしてタラウマラ族とのレースが第三部。
自分としては第二部の人間は走るために進化してきたというランニングマン説が興味深かった。 人間はより効率よく走るために四本足から二本足になり、バランスを取るために頭を重くし、走るために尻の筋肉をつけ、アキレス腱を手に入れ、より効率よく冷却するために体毛を無くし汗腺を手に入れたという。
人間は瞬発力ではチーターやレイヨウにはかなわないが、持久力ならそれらの動物には遥かに勝り、50マイルレースでは馬に勝つこともあれば、走り続けて追い詰める持久狩猟を行うこともできる。
また人間がそうやって長距離走り続ける持久力をつけるためには、肉類をあまり取らず、植物由来の食べ物を食べ、そして裸足で走ることがいいらしい。
自分はこういうスポーツ医学のようなものはよく知らないし、どうとも判断できないのだが、昨今のクッションの良く効いたシューズを履くことで足の故障が多くなり、逆にクッションなどないぺらぺらの靴を履くことで足のさまざまな問題を解決することができるという。
こういうウルトラランのような世界は知らなかったし、これはこれで面白い世界のようでそういう世界があると言うことをしれたのは良かった。 ウルトラマラソンとかまではムリだろうけど、ちょっとマラソンとかやってみようかと思う。
んだけど、運動しないしなぁ…