KATANA (7) 剣相の疵 (ホラーMコミックス)
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かまた きみこ
ぶんか社 (2010-08-17)
ぶんか社 (2010-08-17)
前日にふと読み返していたので、そのまま7巻も読んだ。
葉隠れ刀…滉の子供の頃にあった遠足のエピソード、子供の頃影が薄かったんだ…w
正源寺、通称忍者堂というお寺が舞台で、お寺の忍者屋敷版。 面白そうなお寺なのでググってみたけど実在はしない様子。残念。
かまたさんの書く物語の主人公はみんな、人よりも物の方に親しむキャラクターが多い。 子供の時にはそれ故の苦労なんかもあったんだろうなぁということを伺わせる話。
剣相の疵…これが中編、刀剣を使った占いの話。
人類は身の回りにあるいろんな物を使って、どうにかして未来を予測しようとがんばってきていた歴史があるわけで、その流れから言うと、常に身につけて大事にされていた刀などを使った占いという物があってもおかしくない。
この剣相占いという物は江戸自体に流行した物のようで、その剣相占いを得意とした研ぎ師との因縁話を中心に物語りが進んでいく。
この剣相占いをしていた研ぎ師、鈴也の話は刀から聞かされることになるんだけど、こういう刀の昔話っていいかもしれない。 なんせ人に歴史ありといってもたかだか80年程度だけど、刀の歴史は長けりゃ1000年超えるし、見てきた物語、語る物語は人の比じゃないだろうと思う。 襲も長生きしてる刀だし、その襲の因縁に滉が絡まれる話も多いんだけど、襲が意地っ張りだったり子供っぽかったりして、そういう経てきた物語を語れないのが残念なんだけど、そういう襲がちょっと笑えてしまう。
GRANDEEKREELなんかだと、武具が取る姿は歳経るほどに見た目も年取っていくという設定だったけど、KATANAでは作られたときの姿なんかがそのままで成長しないみたいだ。 襲が年取って落ち着きみたいなのでちゃうと、今みたいな滉との絡みは描けないだろうなぁ。
ふと思ったんだけど、どの時点で刀の人格が生まれるのか、その辺の物語もやってほしいな。
この物語で葉月の心境に変化が出てきそうな伏線とか、襲の力に関してなんか伏線がありそうな感じとかが仕掛けられていて、ここからまた物語に変化が出てるくのではないかという感じがある。 男女の友情はあるのかというのはいろんな物語で語られているテーマだけど、この物語では葉月と滉はそういう関係で逢ってほしいなと思う。 なんとなくだけど滉と葉月が恋人関係になったりするのは違和感がある。
霹靂の庭…以前にも登場した闇切丸の話。
またしても刀に乗っ取られる滉と、またしても巻き込まれる京崎、京崎KYだけど、マジいいやつだわ。 滉が原因でへんなことに巻き込まれているのに、そのことを問題視しないし、巻き込まれても滉に細かいことを聞くこともない。 なにも知らされていないままに巻き込まれて、それを受け入れる度量というか、おおざっぱ感はいい。 滉はもっと挙崎を助けてやるべき、と思うが京崎は結構なんでも自分でやってできちゃう方だよな。
この二人はこのままの関係を続けてほしいと思う。
そろそろまた力を入れた長編を期待したい。