2008年3月29日土曜日

プロが教えるこだわりの珈琲

プロが教えるこだわりの珈琲
プロが教えるこだわりの珈琲

最近コーヒー豆を焙煎してドリップすることに目覚めて、おもにネットの情報を参考にして試行錯誤していたんだけど、やっぱりネット上の情報だけでは微妙なところが分かりにくく、こういう場合はどうしたらいいのかと悩むことがよくあった。

また豆に関しても度の豆がいいのか分からず、ネットのショップで適当に買って実際にどうなのか自分で調べているような状態だった。

この本にはコーヒー豆に関して、産地から、生豆への精製過程、ハンドピック、焙煎、挽いて、淹れるまでのすべてにわたって解説している。

特に「珈琲豆の種類と焙煎」という章で、珈琲豆ごとの焙煎のしやすさのレベルやそれぞれの豆に関して味や特徴を解説してあるので、その辺が参考になった。 ちなみに自分がいままで焙煎していたのはBグループでタンザニアAAAとか、マンデリン・G1とかだった。 ブルーマウンテンが焙煎しやすいAグループだったのはちょっとびっくり。

そのほかにも、生豆のハンドピックではじくべき豆がちゃんと写真でわかりやすくまとめてあったり、豆ごとの焙煎の進み具合や、それの時間などが詳しく書かれている。 自分はいままで大体10分から15分で2ハゼまでいっていたので、比較するとちょっと早すぎだった様子。 

淹れ方にしても普通のペーパードリップからサイフォン、パーコレーターまで一般的な淹れ方に関してはほぼすべて概説してある。  自分が普段やっているネルドリップに関してもこうするんだ、というちゃんとしたやり方を示されたので、これを基本として様々なアレンジをしていけるようになる。

そのほかにも小さいコラムみたいにコーヒー豆の生産地の様子や、ちょっとした知識なども記載されていて、珈琲豆の焙煎をしようという人にとってはとてもいい本になっている。 おすすめ

2008年3月23日日曜日

サンカの民と被差別の世界―日本人のこころ中国・関東

サンカの民と被差別の世界―日本人のこころ中国・関東 (五木寛之こころの新書)
サンカの民と被差別の世界―日本人のこころ中国・関東 (五木寛之こころの新書)

中身は大きく分けて、おもに瀬戸内海方面で家舟という船に家具の一切合財を積み込んで漂白生活をする人たちの話と、それから表題にもなっているサンカ、最後に江戸のエタ頭である弾左衛門といった内容。

五木寛之氏は物書きであって民俗学者ではないので、民俗学的な内容の多くは沖浦 和光氏に教えてもらったものか、その著作からの引用などで内容的に目新しいものはない。 書き方はそういった被差別民に対するエッセイ的なもので、視点はかなりロマンチックな幻想が垣間見える。

しかしこの視点は自分もそうだったのだが、被差別民やサンカといったものに対する漠然とした興味を持っている人に共通するものだと思うし、またそういう幻想を含めて書かれている分、学術的な沖浦 和光氏の著作とは違いすっと心に入ってくるような部分がある。

またいわゆる日本史として学校などで教えられている正史とそこに描かれる常民以外にも、日本史の裏側に延々と流れ続けてきた暗部であり、また戦後には葬り去れなかったことにされつつある、そういうもう一つの歴史があったということを知る意味でも参考になる本だと思う。

家舟、サンカ、弾左衛門といったもの、また東京浅草近辺の下町風情に興味があるなら、そういうものに対する入門としておすすめ。

学術的な部分は巻末の参考資料が参考になる。

劇場版「空の境界」

劇場版「空の境界」1章と2章をテアトル梅田で上映していたので見てきた。

空の境界 上 (1) (講談社文庫 な 71-1)
空の境界 上 (1) (講談社文庫 な 71-1)

空の境界 中 (2) (講談社文庫 な 71-2)
空の境界 中 (2) (講談社文庫 な 71-2)

空の境界 下 (3) (講談社文庫 な 71-3)
空の境界 下 (3) (講談社文庫 な 71-3)

もともと空の境界は竹箒というウェブページに1998年から1999年にかけて掲載されていたものが元になる。 だから劇中の時間がそのくらいの時間になっているんだね。

1章俯瞰風景
冒頭の橙子と式の会話が難しすぎて、よくわからんかった。 あの部分ちゃんと理解できた人いるんだろうか? 小説版にあの会話があったかどうか覚えていない。

自分が小説版を読んだのはもう6年か7年前の話なので、すっかり内容も忘れてしまった。

映画版の1章はストーリ的には特筆するほどのこともなく、あまり気になる部分、印象に残る部分などはなかったが、描かれる景色と戦闘シーンの動きは良かった。

景色的にはビルの屋上からの遠景。 夕焼けの中遠くまで広がる街並みが緻密に書き込まれていたのが印象的だった。 戦闘シーンは戦闘場面ではなく、式の移動のシーン、とくにビル間のジャンプとその後のブレーキングのシーンーでの水の動きがなんかとても自然でこうなるだろうなという動きと見え方をちゃんとしていた。


2章殺人考察(前)

1章は1998年の物語で、2章はそこからさかのぼること3年?、黒桐と式が高校入学で出会った時の物語。 

2章は1章とは対比的に激しい戦闘シーンはなく、黒桐と式の物語。

前後篇の前篇なので、伏線ばっかりで物語上の大きな進行はない。 後編に期待というところだけどだいぶ後になるので、気になるばっかり。 


1章2章を通じて、ここのシーンは綺麗だし、動きもいい。 1クールのアニメというような形ではなく劇場版として公開したのは正解だったかもしれない。

でもあとのほうになると1時間で物語をまとめるのはしんどいんじゃないかなという気がしないでもないが、この調子で言ってくれると全体としてかなりクオリティの高い作品になることが期待できる。

今後も続けて見に行こうと思う。

劇場版「空の境界」 俯瞰風景 【完全生産限定版】
劇場版「空の境界」 俯瞰風景 【完全生産限定版】
劇場版「空の境界」 殺人考察(前) 【完全生産限定版】
劇場版「空の境界」 殺人考察(前) 【完全生産限定版】

2008年3月20日木曜日

Amazon.co.jp: 宇宙が味方する経営: 伊藤 忠彦: 本

宇宙が味方する経営
宇宙が味方する経営

アーバン銀行の前社長がなぜ自分はうまいことぎりぎりだった銀行を立て直せたのか、というようなことを語っている。 結論的には謙虚に正直に生きて、目的が世のため人のためになるようなものであれば神様が助けてくれるという内容。

神様がいるかいないか、実際に正直に生きていれば神様が助けてくれるのか、そういうところはとりあえずおいといて、実際に企業倫理が厳しくなっている昨今、正直でない企業はいずれどのような形でか社会的な制裁を受ける可能性が高い所からして、内容的には正しいし、問題はない。

ただその自説を補強するためにいくつかのスピリチュアルな事例を持ち出しているが、その事例の多くが既に否定されたものを使用しているところが気になった。

たとえば100匹目の猿などに関しては100匹目のサルの嘘とか。

あとは天国、地獄、スピリチュアルなパワー、またはキリスト教などに関してもかなり勝手気ままに自論を展開していて、そのへんで突っ込みどころが多くちょっと気になった。

中心となる部分は間違ってないし、大事なことを語っていると思えるだけにその辺がちょっと残念。