2010年4月18日日曜日

お茶が運ばれてくるまでに―A Book At Cafe

お茶が運ばれてくるまでに―A Book At Cafe (メディアワークス文庫)
時雨沢 恵一
アスキーメディアワークス
売り上げランキング: 3474
おすすめ度の平均: 4.0
5 アマゾンのレビューを読んでるらしい時雨沢先生はひねくれ者の真っ直ぐなお人。
5 大人から子どもまで楽しめます。
3 少し、思ってたのと違ったな
3 絵を楽しみたい人に
5 大人の寓話集。 大人の絵本。 繰り返し味わいたいです。

まさしくタイトル通り、喫茶店なんかにふらっと入って、お茶が運ばれてくるまでのちょっとした時間に読めてしまいそうな珠玉の短編集。

キノの旅にはいつも最初の方にごく短い物語があるけど、そういう短い物語よりももっと短い物語を集めた感じ。 そこに黒星紅白さんの絵がついて絵本みたいになってるんだけど、黒星さんの絵がまた水彩風のいままで見たことない感じで、それがまた文章の雰囲気にも合っていて、ものすくいい感じになってる。

物語はやっぱり時雨沢さん独特の皮肉が効いたもの、救いのない物、素直に心に来る物、いろいろあるけど、自分が衝撃的だったのは「はな」と「やりたいこと」。

「はな」事態はものすごく皮肉な物語なんだけど、最後の女の子の夢に満ちた表情とかが皮肉な物語とだけでは片付けられない、強烈な印象をうけた。  

「やりたいこと」はその考え方。 「自分の年齢を倍にしてそのときやりたいと思ったことを」というんだけど、自分の年齢を倍にするともう場合によっては死んでいてもおかしくない年齢なんだと言うことに気がつくと、愕然としてしまった。 気がついたら自分ももう人生の折り返し地点が目の前にあるんだなと改めて思ってしまった。

本当に短い物語、10分もかからず全部読めてしまうけど、おすすめの1冊

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