2010年7月13日火曜日

日本はなぜ貧しい人が多いのか

新潮選書 日本はなぜ貧しい人が多いのか 「意外な事実」の経済学
原田 泰
新潮社
売り上げランキング: 3640
おすすめ度の平均: 4.0
5 日本社会の破綻を無視する面妖な人々に一喝する名著
4 各章末に簡潔なまとめがある。
2 恣意的なデータの羅列・モデルの構築は浅薄
4 図表が解りにくすぎる。
1 定義

なにがきっかけでこの本を手に取ったのか、もともとどこで見つけたのかはもう完全に忘却の彼方なんだけど、こういう本が引っかかってくる自分の情報収集力結構捨てたもんじゃないなと思う。

社会実情データ図録とかが好きな人にはとてもいいし、日本はどういう社会でなにが問題なのかを知るのにもとてもいい。 

現在の日本の社会で問題とされているものはいろいろあるが、それら数多くの問題を様々なデータから統計学的手法で本当にそれは問題なのか、問題だとしたらなにが原因なのか、どうすれば解決できるのか、と言ったことを明確に分かりやすく解説してくれている。

これを読むと日本の問題とされている少子化や格差の問題、若者の就労問題なども方策を間違えなければなんとかなる物なんだと言うことがよくわかる。

感覚ではなく、データで社会を語ることの重要性がよくわかる良書。

第1章 日本は大丈夫なのか
1.日本の地方にはなぜ豪邸街がないのか
2.日本にはストライカーがいないのか
3.人口減少でサッカーも弱くなるのか
4.日本は投資しすぎなのか
5.日本の労働生産性は低下したのか
6.少年犯罪は増加しているのか
7.給食費を払わないほど日本人のモラルは低下しているのか
8.なぜ「新しい世代」ほど貯蓄率が高いのか
9.若年失業は構造問題なのか
10.日本の教育論議は、なぜ「信念の吐露」にすり替わるのか
11.なぜ教育が必要なのかを語らないのか
12.学力格差をどう克服するか
第2章 格差の何が問題なのか
1.世界はいつ不平等になったのか
2.格差問題の本質は何か
3.グローバリゼーションは格差をもたらすのか
4.「均等法格差」は生まれたのか
5.地域間の1人当たりの所得格差は拡大したのか
6.地域間の所得格差は拡大したのか
7.外車販売台数で地域格差を見ることができるか
8.日本の生活保護制度はどこが変なのか
9.日本はなぜ貧しい人が多いのか
第3章 人口減少は恐いのか
1.人口が減少したら1人当たりの豊かさは維持できないのか
2.成長のために人口増と就業者増のどちらが重要か
3.就業率の低下をくい止めたのは誰か
4.子供の方程式で何が分かるか
5.若年層の所得低下が出生率を低下させたのか
6.第1次大戦前、人口が増加する国ほど豊かになったのはなぜか
7.低成長、人口減少時代の年金はどうあるべきか
8.高齢者はいつ豊かになったのか
9.「高齢化で医療費増」は本当か
10.高齢者ほど負担する意志があるのはなぜか
11.増税分はどこに使うべきか
第4章 世界に開かれることは厄介なのか
1.中国のGDPは、本当はいくらなのか
2.なぜ中国は急速な成長ができるのか
3.中国は脅威なのか、お得意様なのか
4.中国の雇用はなぜ伸びないのか
5.円は安すぎるのか
6.経常黒字をため込むことは必ず損なのか
7.経常収支の黒字はどれだけ円高をもたらすのか
8.人口減少に輸入拡大で対応できるか
9.「国際競争力」はどれだけ生活レベルを高めるのか
第5章 経済の現状をどう見れば良いのか
1.世界金融危機の影響はなぜ日本で大きいのか
2.なぜ資本市場と銀行の両方が破壊されたのか
3.企業の利益は、なぜ2007年まで復活していたのか
4.「大停滞」の犯人は見つかったのか
5.1970年代に成長率はなぜ低下したのか
6.アメリカはニューエコノミーになっていたのか
7.19世紀の世界経済はなぜデフレになったのか
8.昭和恐慌の教訓は何か
9.アメリカの大恐慌を終わらせるのに世界大戦が必要だったか
第6章 政府と中央銀行は何をしたら良いのか
1.日銀総裁のパフォーマンスはその出身によるのか
2.日本銀行は何を目標としているのか
3.なぜ低金利が続いているのか
4.日本の物価はなぜ上がらないのか
5.資本注入は経済を救えるか
6.金融機関の破綻は負の乗数効果を持つのか
7.最後の日本人にとって国債とは何か
8.どの都知事が財政家だったのか
9.大阪府はなぜ財政再建できたのか
10.日本は本当に省エネ大国なのか
11.官民賃金格差は地域に何をもたらしたのか
12.離婚と地方の自立はどこが似ているのか

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