2007年10月29日月曜日

バイオ燃料

CNN.co.jp : バイオ燃料は世界中で飢餓を増長、国連専門家が警告 -
地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出削減のため注目を浴びている「バイオ燃料」は、世界の飢餓を増長し、貧しい国々で多くの人々を餓死させるとして、バイオ燃料生産について5年の猶予期間を設けるよう、国連機関の専門家が訴えている。


農作物によって二酸化炭素を固定化して、それを燃料として使うために二酸化炭素の収支はあうので二酸化炭素は増えない(カーボンニュートラルというらしい)ということだが、農作物を育てるための肥料の製造、水遣り、その他の手間のためのエネルギー消費を考えるとどうしたって二酸化炭素収支で言うならプラスになる。

化石燃料を使用するのに比べると二酸化炭素の排出量が少なくなるのは確かだろうが…


もともと市場原理によって消費される分しか生産されてこなかった穀物をバイオ燃料にまわすことにより、穀物およびその他食品の値段が上がるのは現状のとおり。 今のところ畜産の値上がりはさほどではないようだけど、今後はかなり値上がりするんじゃなかろうか。

この穀物の値上がりも数年のうちには市場原理によって適切な価格に移動していくことが予想されるが、その過程で大幅な農地の拡大と生産性の向上が必要になる。 農地に利用できるような温暖で水源が近くにある広大な平地といったものはほとんど開拓されつくしているし、これ以上の農地の開拓には明らかにアマゾンをはじめとしたジャングル、森林の開墾が必要になる。

さらには今後数十年のスパンでは、太陽光発電、風力発電といった再生可能エネルギーの利用が高まるのは確実で、そうなっってバイオ燃料が使用されなくなったとき、無理やり開墾したようなコスト高の農地は放棄される。 放棄された農地が元の森林に戻ることはなく、ただの荒廃した土地が残るだけになるわけだ。


穀物の値上がりによる一般人への影響、バイオ燃料の将来性の薄さ、利用範囲の狭さ、etcetc...

理由はいろいろあれども、考えるだにバイオ燃料は推進するべきではないと思う。

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