2010年6月15日火曜日

死ぬときに後悔すること25

死ぬときに後悔すること25―1000人の死を見届けた終末期医療の専門家が書いた
大津 秀一
致知出版社
売り上げランキング: 420
おすすめ度の平均: 4.0
3 テーマは良いが、もう少し深みが欲しい
4 人生について改めて考えるきっかけを与えてくれました
4 健康なうちに読むべき本
5 私のすること
4 だれでも死を迎えるのだから

終末期医療の現場で1000人以上の人を見送ってきた著者が、その現場で見てきた亡くなる人が残した後悔を25個にまとめた物。

25個の項目としては、「健康を大切にしなかったこと」とか「遺産をどうするか決めなかったこと」とか、そのときになれば後悔することになるかもしれない当たり前と言えば当たり前な項目で、格別特殊な物があげられているわけではない。 でもその項目の中に、著者が経験してきた多くの人のリアルな体験があるだけに当たり前の項目なんだけど、重い。

ちょっと残念だったのは,著者がまだ30代と若いこと。 若いのが悪いというわけではないんだけど、こういう死という物に正面から向き合ったような物は、もうちょっと年食ってから書いてほしかったような気がする。 30代でこれから死ぬ人たちの後悔を聞いているので、なんとなくちょっと突き放したような視点から描写しているように思う。

ちょっと残念に思うところがあるにしても、その内容は重要な物だと思う。 

人間にとって絶対と言い切っていい確実な物は、死だけ。 それだけに誰しもが考えておく必要のあることだと思う。


第一章 健康・医療編
1,健康を大切にしなかったこと
2,たばこを止めなかったこと
3,生前の意思を示さなかったこと
4,治療の意味を見失ってしまったこと
第二章 心理編
5,自分のやりたいこをやらなかったこと
6,夢をかなえられなかったこと
7,悪事に手を染めたこと
8,感情に振り回された一生を過ごしたこと
9,他人に優しくしなかったこと
10,自分が一番と信じて疑わなかったこと
第三章 社会・生活編
11,遺産をどうするかを決めなかったこと
12,自分の葬儀を考えなかったこと
13,故郷に帰らなかったこと
14,美味しいものを食べておかなかったこと
15,仕事ばかりで趣味に時間を割かなかったこと
16,行きたい場所に旅行しなかったこと
第四章 人間編
17,会いたい人に会っておかなかったこと
18,記憶に残る恋愛をしなかったこと
19,結婚をしなかったこと
20,子供を育てなかったこと
21,子供を結婚しなかったこと
第五章 宗教・哲学編
22,自分の生きた証を残さなかったこと
23,生と死の問題を乗り越えられなかったこと
24,神仏の教えを知らなかったこと
第六章 最終変
愛する人に「ありがとう」と伝えなかったこと

P62、後悔しない生き方、それは[自分を取り戻す]ことだ。自分を意識せずとも、自分を体いっぱいに表現している子供と同じようになれば、おのずと人生の楽しみを取り戻すこともできると思う。
やりたいことをやらねば最後に後悔する。やりたいことはさっさとやるべきなのだ。

P66、人が人であるように生きると言うことは,そのような生物のくびきから逸脱して生きることかもしれない。夢や希望を抱いて生きようとするとき、人は人らしい生を手に入れる。そしてまた、自分の思いをかなえようと長い年月にわたってその思いを温めることも、人に特有の営みと言えるだろう。
 こうしてずっと守り続けた夢が輝くとき、人の生の道はきっと照らされることになるだろう。。そして最後まで夢をその手に持ち続けることができれば、たとえそれがかなえられなくても、後悔は少ない。

P72、犯罪は犯すべきではない。刑罰があるからとかそのような理由ではなく、結局そのこと自体が自分を救うどころかより苦しめるからである。
犯罪者だった彼のことを、私はいつも思い出す。悪行などはできるだけ減らした方が、死を前にしても清々しい気持ちでいられるだろう。

P78、感情に振り回され、特に否定的感情にとらわれたまま生涯を過ごせば、残るのは後悔ばかりである。冷静な心の先に、笑いを見いだすことができれば、後悔は少ない。

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