2010年6月8日火曜日

レアメタル超入門

レアメタル超入門 (幻冬舎新書)
中村 繁夫
幻冬舎
売り上げランキング: 52200
おすすめ度の平均: 4.5
5 「レアメタル?はあ、なにそれ?」のレベルの人が読んでも面白いはずです(笑)
3 レアメタル
4 レアメタルの確保こそ日本の国益であり生面線である
3 レアメタル市場入門
5 プラネティスト時代の超入門書


レアメタルという物の商品性についての入門書。

目次を見るとレアメタルの商取引に関係するような話ばかりかと思うが、内容的にはレアメタルという物の種類とその使用目的などレアメタルに関する基本的な知識、そして様々なレアメタルが算出される地域と、算出する国の現状や資源保護政策、そして算出されたレアメタルを取引するトレーダーと市場、最後に日本の現状とこれからの日本のレアメタル制作に関する提言まで、合間合間に著者が経験してきたエピソードなども交えながら、レアメタルについて解説している。 レアメタル市場についての入門書としてはものすごくよくできていると思う。

日本がレアメタルをもっぱら輸入に頼っていると言うことは知っていたし、一時期レアメタルパニックの時のニュースも見ていたので、日本にとってレアメタルは目立たないがかなり重要な物だという認識はしていた。 自分のよく知っている電子機器のパーツにも様々なところでレアメタルが使用されているのも知っていたが、日本が輸入しているレアメタルは他の国と比べても桁違いに多いということは知らなかった。

世界的と比較した日本のレアメタル輸入量の直接的なデータが記載されているわけではないが、一部レアメタルでは世界産出量の大半を占める中国産のレアメタルの、さらにその大半が日本向けというデータからも分かる。

そしてそのレアメタル産出の裏で行われている大規模な環境破壊や、資源を巡る紛争のことも当然のように知らなかった。 資源を巡る紛争というとダイヤとか金が有名だが、レアメタルに関してもそういう紛争がある。 ダイヤなら血のダイヤなどと不買運動をすることもできるが、電子機器の不買運動は現代人には無理だ。

レアメタルは現代社会を動かす梃子の支点の一つとして、小さいながらも無視できない影響力があると言うことが理解できた。

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